株式会社GDK代表取締役 前藤元彰が、㈱AMUのライター鹿倉安澄さんからインタビューを受けました。今回は鹿倉さんによるインタビュー記事を掲載いたします。
千葉県白井市に本社を構える株式会社GDK。オフィスに一歩踏み入れると、中央にある銀色の階段と、高い天井の開放的な作業場が印象的です。入り口にはきれいに手入れされた亀やメダカの水槽が並びます。訪問した日は、数名の社員のみなさんが、黙々と作業に没頭されていました。
今回は、株式会社GDK代表取締役 前藤元彰(まえふじ・もとあき)さんに、事業内容や採用についてお話をうかがいます。
前藤 遠いところ、わざわざご訪問ありがとうございます。2013年に千葉の白井市にて創業しました。子どもの頃から暮らすこの土地で日々、営業しています。
地元密着、地域に根ざしてお仕事されていらっしゃるんですね。GDKという社名は、地名や業務内容からきているものですか?
前藤 この社名は、以前働いていた行徳電子株式会社からいただきました。今はない会社なのですが、海外の方からすると呼びにくいため、通称GDKで通っていたんです。
社名の由来はそこからだったんですね。
御社の業務内容に「産業機械用自動制御装置設計製作」とありますが、モノを売ったり、サービスを提供したりするのと比べ、一般の人には理解が難しそうなお仕事です。実際にはどのような業務を行うのでしょうか?
産業機械用自動制御装置設計製作を行うGDK
前藤 私たちが行う産業機械用自動制御装置設計製作は、さらに細かく「PLCプログラミング」「制御盤製作」「機械配線工事」の三つに分かれます。
①PLCプログラミング
PLCはProgrammable Logic Controller(プログラマブル ロジック コントローラ)の略称で、工場の機械を制御するコントローラの名前です。CPUユニットとも呼ばれています。工業用機械を制御するために、特殊な言語でプログラミングを行います。
PLCプログラミングは工場で製造される車やカメラ、記録媒体などあらゆるものを制御するために使われています。いわば、製造機械に指令を送る頭脳部分です。
②制御盤製作
制御盤の中には、PLCやタッチパネル、操作ボタンなど、工場の大きな機械を動かすためのパーツが設置されています。盤といっても工場の機械を制御する重要な部分ですから、冷蔵庫ほどの大きさがあります。私たちはPLCだけでなく、制御盤も製作しています。
③機械配線工事
製作した制御盤や制御盤で動かす機械を組み立て設置するのも私たちの仕事です。国内で組み立て試運転したのち、いったん解体、日本国内にとどまらず、時には海外の工場へ出張して設置作業を行います。あらゆるものの製造工場に、活躍の場は広がっています。
前藤 これらが私たちの仕事ですね。
なんだか難しそうな言葉が並んでいますね…。
さらにお話をうかがうと、実は世界的に有名な自動車の部品を製造する機械の制御盤の設計製作も行っているのだとか。
前藤 一回の説明だけではわかりにくいですよね(笑)GDKでは、工場機械を動かすための制御盤を作り、設置まで行っています。
私たちだけで仕事が完結するのではなく、多くは協力会社さんとの共同作業になります。協力会社は「工場機械を販売する会社」「工場機械を作るための部品を製造する会社」などです。
その先には、製造用機械の発注主(エンドユーザー)さんがいます。私たちが協力会社さんとともに作り上げた製造用機械を使って製造されたものが、一般消費者の手に届けられるわけですね。
最終的に製造されるのは、車やカメラ、記録媒体など、さまざま。依頼があればどんなものの製造機械制御でも対応します。
私たちは製造業の縁の下の力持ちなんですよ。
消費者からは見えないけれど、非常に重要なお仕事なんですね!
前藤 具体的にお話すると、「工場機械を作るための部品を製造する会社」で作られた機械製造用の部品を、GDKでプログラミングした制御盤で動かせるようにします。
その機械の注文主は、「工場機械を販売する会社」。日本国内の工場で一度組み立てられて、希望通りの動きをしているかチェック。そして、一度、解体します。
日本国内のみならず、アメリカやメキシコなどの海外で使われることも多いんですよ。
その機械をエンドユーザーさんの工場で稼働させ、いろいろなものの部品を作ったり、組み立てたりします。
GDKの社員は、設置と試運転も担当します。日本国内や海外に出張し、元の状態に組み立て、正常に動作するか、チェック。「こうやって使ってください」「こういう異常が出た時は、このセンサーを確認してください」というようなレクチャーを行うのも私たちの仕事の一つです。
学歴は関係なし。責任感を持って最後までやり通す人材を育てたい
株式会社GDKでは、業務拡大のため、定期的にエンジニアの新規採用をしています。専門性の高いお仕事、採用対象となるのは即戦力の実務経験者だけなのでしょうか?
前藤 よく同じような質問をされますが、私は他社での実務経験は不要だと思っています。というよりは、同業他社での業務経験がゼロのまっさらな状態の人材を積極的に採用し、教育したいと考えています。
てっきり他社で経験を積んだ中堅以上のエンジニア採用を考えていらっしゃると思っていました。むしろ何の経験もない状態の人材を欲していらっしゃるとは驚きです。
前藤 当社では、学歴もまったく重視していません。中卒でも高卒でも、専門学校卒でも、区別なく評価します。私たちの業界は学歴だけでは通用しません。エンジニアとして活躍できるかどうかは、完全に実力次第なんです。
実際に私も高卒のたたき上げで現在の会社を設立し、社長として仕事を続けています。
学歴も経験も関係なく、入社後に経験を積めば、誰にでもチャンスがある世界。夢がありますね!
前藤 もちろん、向き不向きはあると思います。私も含め、現在在籍している社員は皆、モノづくりが好きだというところが共通点ですね。
具体的にはどのような志向の方に、この仕事が向いていると思われますか?
前藤 そうですね。例えば、部屋にこもってゲームやマインクラフトをやり続けられる人やロボットコンテストに出たことがある人、独学でもゲームを作ったことがある人、プラモデルを作るのが好きな人などは、この仕事に非常に向いていると思います。
プログラミングは、トライ&エラーを繰り返しながら、長時間をかけて行う作業です。一つのことに集中して、長い時間向き合える才能は、必要不可欠です。
もちろん仕事ですから遊びとは違いますが、“モノづくりが好き” “生み出すところから壊れるまで、すべてを把握したい” “考えることが何よりも楽しい”、そんな人材がいたら、「ウチで働いてみないか?」と、こちらから声をかけたいくらいです。
実際に、紹介での採用も多いんですよ。性格や資質がわかったうえで採用したほうが定着率は上がりますからね。
いくら資質をそなえているとはいえ、全く知識のない人材を育成するのは非常に骨が折れそうですが、それでも未経験歓迎なのはなぜですか?
前藤 これまで経験者を雇うと「前の職場ではこうやっていた」となってしまうことが多かったんです。前職での経験を活かしたい気持ちは理解できますが、郷に入っては郷に従え、各社独自のやり方がありますから、受け入れ、学んでいく姿勢があると嬉しいですね。
育成に数年かかることは、承知のうえで採用しています。
仕事上では厳しく接しますが、休憩時間や終業後は皆でゲームを楽しんだり、休日には釣りに出かけたりと、和気あいあいと過ごしています。
株式会社GDKでは、千葉県白井市の『子ども110番』の取り組みにも参加されているとか。地元で育った前藤社長は、地域とのつながりも大切にしていらっしゃるのですね。
前藤 私も高卒で、業務内容も理解せず、この業界に入りました。それでも、コツコツと仕事に向き合い、大変でもめげずに食らいつき、経営者としての今があります。日本国内だけでなく、世界中を飛び回る仕事は、一所にとどまっていられない私の性格にも合っていたのでしょうね。
少しずつ社員を増やしているのも、対応できる仕事の幅を広げたいだけでなく、社員の成長が嬉しく、若者を育てたいという気持ちも大きいんです。
「人とのコミュニケーションが苦手で、家にこもりがちな子にだって、向いている仕事はある」と話す前藤さん。適性のある仕事に就くのが一番なのかもしれませんね。
仕事上、未経験者の方がいいとの話しでしたが、それだけではなく、前藤さんがこの先の社会を担う人材を一人でも多く輩出しようと強い決意をお持ちのようにも感じます。
前藤 まったくどんな仕事をするのか理解せず面接の日を迎えた、なんて社員もいます(笑)それでも、現在では、頻繁な海外出張も事前準備を含めて黙々とこなし、世界中を飛び回っていますよ。
英語が話せなくても海外での仕事に支障はない
海外出張があると聞くと英語が話せない人は躊躇してしまうかもしれません。英語力は必要ですか?
前藤 英語がわからなくてもどうにかなります(笑)出張先もアメリカのような英語圏だけでなく、メキシコや中国、タイ、インドネシアなど、いろいろですから全部の言語を理解するなんて難しいですしね。
基本的に、GDKから出すのは社員一人ですが、協力会社の皆さんと4人程度で日本から一緒に訪問するため、「海外に一人きりで言葉もわからず途方に暮れる」なんて、絶対にありえませんので安心してください。もちろん独り立ちするまでは先輩社員と一緒に送り出します。
海外での仕事先では、通訳さんが帯同してくださったり、協力会社の皆さんと一緒に作業をしたりと、日本語しかわからなくても困らない環境なら、心配なさそうですね。
前藤 とはいえ、出張が数週間にわたることもあります。英語を少し理解していれば、出張期間中の休日に、観光したり食べ歩いたりできるので楽しいですよ。そんな経験を若いうちにしておけば、仕事での海外出張も、ますます面白く感じるはずです。
未経験でもやる気のある若者を積極的に採用している株式会社GDK。初めてお会いした際は前藤さんの迫力ある目力に圧倒されましたが、お話をうかがっているうちに、奥底に秘めた熱量や優しさに魅力を感じ始めました。
仕事は真剣に、余暇は全力で楽しむ。若者たちを熱く応援してくださる前藤さん。全力でやるなら、「ロボットを開発したい」「アプリを作りたい」といった、新たなチャレンジも社をあげて応援してくださるとのこと。
日本経済が下降気味であっても、世界に目を向ければ、若者が活躍できるフィールドは無限に広がっています。プログラミングや機械相手の仕事は世界共通。言葉がわからなくても、楽しい・おもしろいという気持ちで臨めば、活躍の場は大きく拓けていくはずです。
GDKで働いてみたい!と思ったら、ぜひ問い合わせをしてみてください。
本日はお話ありがとうございました。